シロアリ被害の保険とは?駆除費用を安くする方法
家にシロアリを見つけた時、とても不安になりますよね。「いくらかかるんだろう」とか「この家この先大丈夫かな」といろいろなことが思い浮かんで心配になってしまいます。シロアリで自宅に被害が出ると、駆除をするのに結構な費用がかかってしまいます。シロアリ被害にあう前に「シロアリ被害の保険はないのだろうか」と気にしている方もいらっしゃると思います。
ですが2018年3月現在、だれでも加入することができて、シロアリの被害を保証してくれるという便利な保険は今のところ存在しません。ただ、火災保険がシロアリの被害に適用される可能性があります。ここでは、火災保険はどのようなケースの時にシロアリ駆除に適用されるのかについてご説明していきます。また、シロアリ駆除の費用をできるだけ安く上げる方法もご紹介していきます。
目次
火災保険がシロアリ被害に適用される可能性は?
火災保険がシロアリ被害に適用されるケースがありますが、実は直接シロアリ被害を保証してくれるものではありません。火災保険は、火災以外の損害にも適応していますので、その例をここでご紹介しておきます。
■火災保険が適用される損害
・火災
・落雷
・風水害
・雹
・盗難
・破損
・水漏れ
などに火災保険が適用されます。実は火災保険というのは火事だけではなく、いろいろな損害を保証してくれる保険なんです。ここでシロアリ被害と関係があるのは「水漏れ」という項目です。これがシロアリ被害と火災保険の関係が出てくるポイントなのです。
水漏れはシロアリ被害である可能性があります
シロアリは家屋の木を食べて被害を与えます。特に湿気が多い木が大好物なのです。家屋の中で湿気が多い、つまりシロアリ被害に遭いやすいのは床下、浴室、屋根裏など湿度の高い部分になります。
つまりシロアリ被害と水漏れは密接な関係にあるわけです。シロアリが木をかじったことで水漏れが起きたのか、水漏れして木が湿ったからシロアリ被害が発生したのかは、ニワトリが先か卵が先かみたいなところがありますが、どちらの可能性も否定できません。シロアリ被害と住宅の水漏れが同時に発生した時には、そのケースに火災保険が適用されるかどうか保険会社に問い合わせしてみることをおすすめします。水漏れも、シロアリ被害もどちらも嫌なトラブルではありますが、問い合わせてみて火災保険が適用されれば保険が下りて修復費用の一部に充てることができます。
また、床下の湿り気や屋根の雨漏りなど、ちょっとでも気がかりなところは前もってチェックや修繕をしておきましょう。湿気を遠ざけることがシロアリの発生を遠ざけることにつながります。
火災保険の他にシロアリ被害の対象になる保険は?
「地震保険」や「家財保険」は火災保険に加入していれば入ることができますが、こちらもシロアリ被害については直接適用されません。木の家具などがシロアリ被害を受けたとしても残念ながら保証はされません。
シロアリ被害に関する保険はないのか?
木造住宅をお持ちの方にとって、「シロアリ」という言葉は聞きたくないほど嫌なものですよね。こんなに木造家屋が多い日本にシロアリ被害の保険はないのでしょうか。
調べてみると単純な「シロアリ保険」というものはほとんど存在しないようです。一番近いものですと、株式会社住宅あんしん保証という会社の、「シロアリ損害担保特約」というものがそれにあたります。しかしこれも単体の「シロアリ保険」というわけではありません。
これは同社の「あんしん既存住宅売買瑕疵保険」または「あんしん既存住宅個人間売買瑕疵保険」の特約となっています。内容としては住宅にシロアリが発生したことが原因で住宅に損傷が起こった場合の損害について保険金を支払うというものです。保険金額は200万で、まさにシロアリ保険と言ってもいいかもしれません。ですが誰でも加入できるというものではなく、いくつかハードルがあります。
条件として、
・戸建て住宅
・浴室がユニットバス
・建物外部から基礎立ち上がり部分の表面が目視可能
・基礎立ち上がり部分に断熱材が施工されていない
・住宅全体の床下状況が確認できる
・事前のシロアリ検査をクリアしていること
などがあります。また、2016年時点では東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県のみが引き受け可能エリアに指定されています。
この条件をクリアしている戸建てにお住まいの方で、シロアリ被害に不安を持っている方であれば、このシロアリ損害担保特約は検討の価値ありだと思います。
自治体からシロアリ被害の補助金がでることもある?
他にシロアリ駆除の費用を軽減してくれる制度はないのかを調べてみました。一部の地方自治体では「害虫駆除補助金」という制度があり、駆除業者によって害虫の巣を駆除した場合に補助金が交付されます。
例えば高知県香美市では、駆除業者に害虫の巣の駆除を依頼した金額の二分の一で10,000円を限度に補助金が交付されます。とはいうもののシロアリ駆除に対して補助金が交付される自治体はほとんどなく、害虫駆除といってもスズメバチやハエ、蚊などに対するものがほとんどです。実際にはシロアリ駆除の補助金を地方自治体に期待するのはほとんどの地域では難しそうです。念のためお住まいの自治体のサイトで調べたり問い合わせをしてみることをおすすめします。
確定申告すればシロアリ駆除の費用が軽減される?
シロアリ駆除の費用は高額になるものですが、確定申告の申請の方法によっては還付を受けられることがあります。
サラリーマンの方には確定申告はあまりなじみがないかもしれませんね。確定申告は大まかにいうと所得により所得税を決め、税金の払い過ぎや不足を調整するために行うものです。もしあなたが税金を払い過ぎていたら確定申告後に還付金が返ってくる可能性があります。
そこで、シロアリ駆除にかかった費用ですが、これは「災害」のひとつとして考えられます。シロアリ被害で一定以上の額を超えた資産損失がある場合、「害虫その他の生物による異常な災害」として認定されるのです。確定申告の際、シロアリ駆除にかかった費用を「雑損控除」として申告すると費用の一部が控除されることがあります。
確定申告の「雑損控除」の申告には領収書が必要です。駆除してもらった時の領収書は必ず保管しておきましょう。また、残念ながらシロアリの「予防」の費用は控除の対象になりませんので申告しても還付はされません。
シロアリ駆除工事後の5年保証について考えてみます。
業者さんにシロアリ駆除の施工をお願いすると、施工後5年間の保証、つまり5年の間にシロアリが再発したら無償で再度駆除してくれるというサービスがあります。なぜ5年間保証してくれるのかについてご説明していきます。
シロアリ駆除後の5年間保証というのは、ほぼほぼどこの業者さんでも最長の保証期間と言えます。実は昔は施工後10年間保証してくれる業者さんもいたんです。これには理由があって、以前シロアリ駆除に使用していた薬剤は、現在使用されている薬剤よりかなり効果が高かったのです。ですから薬効が10年間以上続くこともあったのです。ですが効果が強く、シロアリだけでなく人体に悪影響を及ぼすということが判明し、現在ではもう少し弱い薬剤が使われるようになったのです。逆に言うと現在使われている薬剤の薬効の持続期間が5年間ということになります。
まとめ
シロアリ被害についての保険は現在ではほとんどありません。火災保険も原則として適用されませんし、シロアリの直接被害を保証してくれるものではありません。確定申告の方法により、費用の一部が返ってくることがありますが、サラリーマンの方が確定申告するのはかなり面倒なことですよね。
シロアリ被害は深刻になると土台ごと食われて床が沈んでしまうこともあります。シロアリで悩んでいる、まだ被害はないけれどシロアリを見つけて心配だという方は、やはり専門のシロアリ業者に相談することをおすすめします。また、一度駆除したシロアリが再発しても5年保証のある業者さんもありますので、保証を確認してから依頼されることをおすすめします。