DIYでシロアリを駆除する危険性
シロアリ駆除と聞くと、「業者が悪徳で高い料金を請求される」「費用だけかかって駆除してくれない(駆除できない)」などの声が上がってきます。
そこで最近自分で駆除する方法はないかとネットでも話題になっています。
実際にこれを自分でやって費用も安くすんだという報告がかなりの数載っています。
確かに自分でやる方が費用も安くすみそうですし、ホームセンターに行けば様々な薬剤も手に入ります。
説明書を読む限り簡単に駆除ができそうですが、果たしてそれで本当に大丈夫なのでしょうか。
シロアリは見えてる個体を薬剤で駆除すれば済むわけではありません。
巣には何万という仲間がいるのです。
巣ごと壊滅しなければいつまでもシロアリは増え続けます。
また、駆除するには薬剤の正しい使い方を理解しなければなりません。
その成分には毒性が強いものもあるでしょう。
自宅だけならまだしも、その散布によって近隣にも影響が出ないとは言い切れません。
やはり専門の業者に任せる方が、シロアリも駆除ができて、長い目で見ればコストが安く済むことだってあるのです。
目次
シロアリ駆除はまず点検から始まる
シロアリの生息状況は床下に潜って見なければ実際わかりません。
その点が、悪徳業者がはびこる原因の一つでもあるのです。
床下ですから一緒に潜ってみるわけにもいかず、家主が知らないことをいいことに悪徳業者はシロアリの状況をいかにも緊急性があるように大げさに報告します。
それは場合によっては脅しに近いやり方です。
特にそういった類の業者は床下に潜り込みたがります。
潜って点検したという既成事実が彼らの作業には必要だからです。
彼らには知識も経験もありません。
ですから床下を見ても何もわからないのですが、状況がひどいことになっていると言われれば家主も平穏ではありません。
そして契約を急かす方法を取ります。
今ならお得な割引キャンペーン中とかおいしい話をチラつかせてその気にさせる常套手段です。
こうした手口のおかげで、シロアリ業者全体がそうであるかのようなイメージを作り上げてしまっているのです。
ではDIYは全く無理なのでしょうか。
確かに駆除にはある程度の経験と知識が必要になりますから、素人が手を出すべきではないと考えます。
しかし、シロアリがいるかいないか程度なら素人でも場合によってはできます。
その具体的方法を見て行きましょう。
1.しっかりとした準備をする
シロアリ調査には床下や天井裏に潜る必要があります。
床下は縁の下から侵入する方法もあれば、畳を上げてから入る、床下収納ボックスを外すなど家によっていくつか経路があります。
暗くて、湿度が高い、狭い空間の床下に潜る際に携帯すべき持ち物として以下のものが挙げられます。
防塵マスク | 床下は散りやほこりがあります。侵入することで風が起こり、舞い上がる可能性がありますので、必ず持参します。 |
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保護メガネ | 害虫が懐中電灯で飛び交うことも考えられます。 前進するには妨げになることもありますから、目を保護することも大切です。 |
厚手の服 | 釘や木の切れ端など、さらにはムカデなどの害虫なども潜んでいます。 釘に引っかかって服が破れないように、また害虫に噛まれたり、刺されたりしても大丈夫な、汚れても差し支えのない服を用意しましょう。 また、首筋にはタオルを巻くなどして保護しましょう。軍手も必要です。要は肌を露出しないことが重要なのです。 |
帽子 | 頭を守るために必要です。 |
マイナスドライバー | 木の隙間などに入っているシロアリを確かめるのに使います。 |
懐中電灯 | 暗い床下の前方や周りの状況を確認して進むために準備しておきましょう。 |
携帯電話 | シロアリの巣やシロアリを発見したら撮影しましょう。 いずれ業者に依頼する際もシロアリの種類が特定できれば、駆除方法も立てやすくなります。 また、床下で何かあった時の緊急連絡方法としても役に立ちます。 フル充電をした携帯を持参して下さい。 |
2.いざ床下へ
自宅の床下といえども、一人で潜るのは危険ですから、必ず他の人にも立ち会ってもらいましょう。
何かあった際には助け出してもらうことになるかもしれません。
また、真夏や真冬は避けましょう。
床下が極端に狭い所がある場合は無理しないで点検をやめましょう。
呼吸が苦しくなって思わぬ事態になる可能性もあります。
床下では焦らず、ゆっくり匍匐前進スタイルで進みましょう。
暗いですが周りの状況に気を配りながら、予期せぬ害虫などが出ても驚かないでください。
冷静に動くことが大切です。
なお害虫に刺されることもあるのでアレルギーがある方はこの作業は控えましょう。
湿った空気とほこりで息がしにくい場合は、通気口や風が少しでも入るところがあれば、休憩することも大切です。
家屋の大きさにもよりますが、床下が広い場合はそうした小休止をしながら進むことが体力を温存する上で重要になります。
3.床下をチェック
床下に入るとまずチェックするのは、シロアリ被害の有無、土壌またはコンクリート、土台や束柱の木材の状況、カビや腐朽の発生の有無、配管のなど水漏れなど調べて行きます。
注意したい点は、柱が下がっていたり、ふすまの立て付けが悪くなっていると思われる床下はかなり怪しいと思います。
またコンクリートの土台に、蟻道が作られていたり、木材の継ぎ目、割れ目にシロアリの排泄物や土でできた蟻土ができている。
柱にシロアリの食痕があるなどです。
さらに床下の木材にカビが生えていたらシロアリの絶好の生息環境が整っているわけでかなり危険です。
4.蟻道発見
土台や束柱などで蟻道を見つけたら、マイナスドライバーで少し崩してみましょう。
そこからシロアリが出てくれば生息していることが判明します。
蟻道はシロアリが土や排泄物、餌の食べかすで作った餌場へ向かうトンネルです。
光や乾燥を嫌うシロアリはこのトンネルを利用して餌である木材と巣を行き来しています。
つまり蟻道を見つけることがシロアリ駆除の第一歩なのです。
シロアリは木材だけでなくコンクリートにも蟻道を作る習性があります。
鉄筋だから安心はここでは通用しません。
そして、次第に家屋の柱の奥や軒下を棲家にしてその活動範囲を広げて行きます。
ただこの後、業者に駆除を依頼するなら蟻道はそれ以上、崩さないで下さい。
蟻道を崩してしまうとシロアリの生息状況や被害状況の範囲が特定できなくなる恐れがあります。
蟻道だけ発見してシロアリがいなかったということもあります。
ただ一部でも木材を交換したら、シロアリの予防をしましょう。
5.やっぱり専門業者
ここまできたらお分かりでしょう。
このような繁殖力を持つシロアリを巣ごと壊滅させるには素人では無理なことが。
巣穴には何万匹に登るシロアリが生息しています。
市販の薬剤では巣の奥までの効果は期待できませんし、ましてや木材の中に潜んでいるシロアリは退治不可能です。
危険を察知したシロアリたちが散ってしまうと、取り返しのつかないことになることもあります。
逃げた先でまた新たなコロニーを作り始めさらに増加を始めます。
大切な家屋がこれ以上食い尽くされたくないのであれば専門業者にここから先は依頼をしましょう。
また薬剤は人体に悪影響を及ぼすものもあります。
取り扱い次第で思わぬ害を大切な家族やペットにも与えてしまう危険だってあります。
アレルギーがある人は特にその影響が強く出ることもあります。
薬剤の知識もある業者なら準備万端で、作業で危険を課すこともなく、無事にシロアリが駆除できるでしょう。
6.床下作業の注意点まとめ
自分で床下の点検をする際の注意点をおさらいしましょう。
- 安全に点検作業ができる床下かどうかを確認して無理はしない
- 点検でも必ず複数でやること
- 湿度が高い時期、真夏や真冬など床下環境が不快な状態では作業をしない
- 蟻道を見つけても全て破壊しない
- 先に挙げた床下に持ち込むアイテムを揃えておく
- 体調が悪い時は点検作業をしない
- 点検作業中、具合が悪くなったら直ぐに助けを求める
- シロアリ以外の害虫を見ても取り乱さない(覚悟をして床下に入る)
- 床下は湿度がこもりやすく不快である
- 冷静な落ち着いた態度で点検を行う
こうして見てくると、シロアリは駆除ももちろん大事ですが、一番大事なのは予防だと言えます。
十分な予防策を講じていれば、シロアリも恐れることはありません。
新築であればその時点で予防を業者に依頼してやってもらうことが大切です。
5年間の保証をしてもらい今後もアフタケアをしてもらえる優れた業者を選ぶことです。
通常、万全に予防策をしていればシロアリが発生することはありません。
逆にシロアリが住みついた家は、放置していけば土台が食い尽くされ、家そのものが倒壊することだってあるのです。
既に建築された住宅にシロアリが住みついた場合は、駆除と防衛策が必要になります。
信頼できる業者を選ぶ基準ですが、
- 白蟻防除施工士の資格を有している
- (社)日本しろあり対策協会に加盟していること
- 施工後の保証がしっかりしている
- 駆除の内容についてしっかり説明してくれる
- 必要以外の工事やサービスをすすめない
まとめ
シロアリ駆除は専門の知識や経験がない素人では、点検すら難しいかもしれません。ましてや駆除など薬剤の成分や取り扱い方を知らない素人には無理だと言えます。
結果として、シロアリ駆除の専門業者に依頼する方が安心安全で費用(5年保証も含めて)も最終的には安くなると考えられます。
綿密な点検を経て駆除を施せば、シロアリは一網打尽にできます。
大切な自分の家ですから、業者選びで失敗しないためにも、ネットなどである程度情報を収集して、理解をしておくことも悪徳業者に騙されない大切な防御策と言えます。
知らないがためにいいように悪徳業者に食い物にされてしまうのです。
深い知識はいりませんが、それなりに知識があるだけで悪徳業者は近寄るとこはありません。